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AI活用によるボイラー燃焼調整で、年間1億円程度のコスト低減効果を実証
台湾電力の林口火力発電所に導入したシステムを改良

◆ 2017年春に運転開始した2号ボイラーが対象
◆ デジタルソリューションサービス「MHPS-TOMONI®」を構成
◆ ボイラー効率や補機動力などの経済性を考慮した燃焼調整機能を加え複数プロセス値を最適化

2018年6月11日発行 第215号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司)が運営する林口(リンコウ)火力発電所に導入している人工知能(AI:Artificial Intelligence)技術を活用したボイラーの燃焼調整システムを改良して、最大で年間1億円程度のコスト低減が可能という経済性改善効果が得られることを実証しました。この実証結果は、2017年春に運転を開始した同発電所の2号ボイラーにおいて、新たにボイラー効率や補機動力などの経済性を考慮した燃焼調整機能を付加することで、複数プロセス値の最適化を目的とした燃焼調整機能を発揮させる改良により得られたものです。

 このAIシステムは、火力発電所の運転最適化を支援する当社のデジタルソリューションサービス「MHPS-TOMONI」を構成する機能の一つで、試運転期間中の2016年度後半から稼働しています。林口火力発電所については、当社が出力80万kWの石炭焚き超臨界圧火力発電設備のボイラーと蒸気タービンそれぞれ3基ずつの納入を手掛けており、2号機までが商業運転中です。

 燃焼調整は、元来はベテラン技師がプログラム実行時に設定する複数のパラメーター(指示事項)を調整することにより、排ガス特性、燃焼バランス、蒸気温度特性、ボイラー効率などのプロセス最適化を行うものです。今回は、林口火力発電所の2号ボイラーも運転開始から時間が経過して運転にも習熟したことから、その後のボイラー特性を学習させることにより、多様な炭種に対応した燃焼調整機能を実現しました。さらに、ボイラー効率や補機動力などの経済性に関わるプロセス値の変化を追加学習させたAIシステムに最適パラメーターを提案。その結果、AIが提案するパラメーターにより、さらに経済性改善効果を得るに至ったものです。

 当社はこのボイラーAIシステムの開発を通じて、ボイラー運転における大量・複雑なデジタルデータの解析による運転コストや保守管理コストなど発電コストの最適化、不適合予兆・早期検知などの機能を国内外の電力会社へ提供することを目指して開発を進めています。本燃焼調整システムは、現在開発に取り組むAIを活用した火力発電所向け運転制御システムの中核を担うシステムの一つです。

 MHPS-TOMONIのソリューションにはO&M(運転・保守)の最適化、性能向上、運用性改善の三つのメニューがあります。MHPSは引き続き、精度の向上や適用機能の拡大などの高度化に取り組むとともに、得られた成果をMHPS-TOMONIが提供するデジタルソリューションの一部として、他の顧客にも提供していきます。

台湾電力が運営する林口火力発電所
台湾電力が運営する林口火力発電所

以上