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ガスタービンSmart-AHAT(高湿分空気利用タービン)システム

Smart-AHATシステムの紹介

Smart-AHATシステムは蒸気噴射による出力向上と水回収装置を用いた高効率の ガスタービン発電システムです。Smart-AHATシステムはコンバインドサイクル発電システムに比べ、機器構成がシンプルでかつ運用性に優れ、その発電効率はシンプルサイクルよりも高く、コンバインドサイクルに近いものです。

Smart-AHATシステムの運用性は、シンプルサイクルに近く、コンバインドサイクルよりフレキシブルな運用が可能です。Smart-AHATシステムは、コンバインドサイクルに比べ、起動時間が短く、運用負荷範囲が広く、また負荷変化に対する応答性がよいものとなっています。さらに窒素酸化物(NOx)排出量、ダスト排出量が少なく、補給水の必要量がほぼゼロという特徴があります。最後に、Smart-AHATシステムはコンバインドサイクルに比べ構成機器が少ないため、必要設置面積が小さく、短い据付期間および低コストを実現します。

Smart-AHATシステムの構成

図1 Smart-AHATシステム概略構成図

図1にSmart-AHATシステムの構成概要を示します。Smart-AHATシステムは、ガスタービン、排熱回収ボイラー(HRSG)、および水回収装置(WRS)を主要な要素として構成されています。

ガスタービンは、標準的なガスタービンであり、出力向上のため蒸気噴射量を増やした設計となっています。標準的な単圧の排熱回収ボイラー(HRSG)で発生した蒸気は、ガスタービン圧縮機の下流に注入されます。圧縮空気と注入された蒸気の混合ガスは、燃料ガスとともに燃焼され、タービン翼を駆動し、発電機軸を回転させ、発電を行います。HRSG中の排気ガスに含まれる水分は、水回収装置(WRS)にて回収され、処理したのちに蒸気発生の為の水としてHRSGに供給されます。空冷ラジエターはWRSにて回収された水の冷却に用いられます。

Smart-AHATシステムの主要機器

図2 Smart-AHATシステムの主要機器

1. ガスタービン

最初の商用Smart-AHATシステムに適用されるガスタービンは、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)によって設計されたヘビーデューティー型のH-50ガスタービンです。H-50ガスタービンは、蒸気噴射なしでシンプルサイクル出力5万7千キロワット(ISO条件下)、また蒸気噴射を行い7万キロワットの出力を達成します。H-50ガスタービンは実績のあるH-100ガスタービンの相似設計のモデルです。H-50ガスタービンは、Smart-AHATシステムに適した、大量の蒸気噴射が可能となるように設計されたガスタービンです。

2. 排熱回収ボイラ(HRSG)

Smart-AHATシステムに含まれる排熱回収ボイラーは、標準的な単圧のHRSGであり、ガスタービンへの蒸気噴射に必要な蒸気を発生させます。またHRSGで発生した蒸気はコジェネシステムのプロセス蒸気として使うことも可能です。

3. 水回収装置(WRS)

水回収装置(WRS)なしでは、燃焼器上流に噴射された蒸気はガス流路を通過し、HRSGの煙突より外部に放出され、その分の大量のデミネ補給水が必要になります。Smart AHATシステムは、HRSGの下流にWRSを設置し、排気ガスに含まれる水分のほとんどを回収することにより、この不利な点を克服しました。

このWRSは排気ガスに含まれる水分を露点以下に冷却し水分を凝縮させる、直接スプレータイプの熱交換器になります。凝縮水の一部は熱交換器のノズルに再循環する一方、残りの水については処理されHRSGの給水として供給されます。

4. 排熱システム

直接スプレータイプのWRSでは、排気ガスに含まれる熱がスプレー水に移転します。排気ガスは冷却される一方、スプレー水は熱せられ、排気ガスからの凝縮水とともにWRSの底部で回収され、冷却された後、スプレーノズルに再循環されます。再循環されたスプレー水の冷却は、冷却塔やラジエターのような排熱システムにより行われます。

Smart-AHATシステムの特長

1. 高出力、高効率

Smart-AHATシステムは蒸気噴射による流量増加によりタービン出力が約23%向上します。燃焼器に噴射される蒸気は過熱蒸気であるため、出力の増加に比べ、燃料投入量の増加は少なく、高効率のシンプルサイクル出力増加を実現します。例えば、H-50 Smart AHATシステムの場合、効率45%LHVに達し、同クラスのシンプルサイクルガスタービンに比べ非常に高効率です。

2. 窒素酸化物(NOx)排出量低減

蒸気噴射は、燃焼器内の火炎温度を低下させ、NOx排出量を低減します。

3. 水の回収

WRSは排気ガスに含まれる水分のほとんどを回収します。これは燃焼により生成される水分と同様、蒸気噴射に使われる水を含みます。WRSによりSmart-AHATシステムは必要な補給水が少なく、また燃焼プロセスにより生成される水の回収により、一定の大気温度では造水するシステムとしての機能を有しています。

4. 低ダスト排出

排気ガスに含まれるダストのほとんどがWRSにより水とともに回収されるため、 Smart AHATシステムはダストの排出量が低く抑えられます。

5. 高い運用性

Smart-AHATシステムの運用性は、シンプルサイクルに近く、コンバインドサイクルよりフレキシブルな運用が可能です。Smart-AHATシステムは、起動時間が短く、また蒸気噴射のためNOx排出保証の運用負荷範囲が広くなります。また負荷変化に対する応答性もよいものとなっています。

6. コンバインドサイクルに比べ、小さい設置面積、短い据付期間および低いコスト

Smart-AHATシステムは、従来のコンバインドサイクルに比べ、構成機器が少なく、シンプルな構成になっています。Smart-AHATシステムが単圧のHRSGが必要なのに対し、コンバインドサイクルは複圧または三重圧のHRSGでかつ、高い主蒸気圧力が必要となっています。

図3 Smart-AHATプラントの配置図

蒸気タービン&発電機、復水器、冷却装置、補機等の従来のコンバインドサイクルの機器のほとんどが、Smart-AHATシステムには必要ありません。この結果、より小さい設置面積、低いコスト、短い据付期間が可能となっています。

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