私たちが生活していくのに必要なエネルギーには石炭、石油、天然ガス、水力、地熱、風力、太陽光などがあります。これらは自然界に存在する「エネルギーの最初のかたち」であることから一次エネルギーと呼びます。
世界のエネルギー消費量(一次エネルギー)は、経済成長の著しいアジア大洋州地域の新興国を中心に増え続けており、2000年から2013年の間だけで約30%も増加しています。
石油を精製してつくられるガソリンや灯油など、一次エネルギーを利用しやすいように加工したものを二次エネルギーと呼びます。電力は代表的な二次エネルギーであり、一次エネルギー総供給量のうち約20%は電力をつくるために使われています(世界平均)。
なお、一次エネルギーから二次エネルギーに変換される(エネルギー転換)過程で、30%以上の転換ロスが生じると言われています。これは変換時に失われる熱や変換そのものに要するエネルギーで、発電においても大きなロスが生じています(たとえば一般的な火力発電の場合約60%が転換ロスとなっている)。
そのため、増え続けるエネルギー消費量に対応するためには発電時のエネルギー転換効率を改善する技術力が大きな意義を持つと言えます。
火力、原子力、水力、地熱、風力、太陽光、バイオ…。発電の方式にはさまざまな種類がありますが、圧倒的に多いのは火力発電です。燃料を燃やして得られたエネルギーで蒸気タービンやガスタービンを回して発電する火力発電は比較的導入しやすいため世界中で使われており、発電電力量におけるシェアでは68パーセント、3分の2以上を占めています。
一次エネルギーの種類別に見ると、現在、火力発電の主要燃料は石炭と天然ガスとなっており、この2種類だけで全体の63パーセントを占めています。
つまり、グローバルに増え続けるエネルギー需要に応えるためには、火力発電システムをより効率的で環境に優しいシステムとして発展させていくことが欠かせないのです。
火力発電システム事業に取り組む三菱日立パワーシステムズには、世界トップレベルの技術を活かし、世界の電力ニーズに応えていく責任があると言えます。