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木質系純バイオジェット燃料の一貫製造技術確立へ実証設備の建設に着手
噴流床ガス化技術とマイクロチャンネルFT合成技術を複合

◆ NEDOの委託で中部電力、TOYO、JAXAとの4者共同により
◆ 12月3日に中部電力の新名古屋火力発電所構内で着工、2019年度中の試運転開始へ

2018年12月3日発行 第243号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、木質系バイオマスを原料とした純バイオジェット燃料(注1)を合成する一貫製造実証設備を建設します。中部電力株式会社、東洋エンジニアリング株式会社(TOYO)、および国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、噴流床ガス化技術(注2)とマイクロチャンネルFT合成技術(注3)を組み合わせた方式により、中部電力の新名古屋火力発電所(名古屋市港区)構内で12月3日に着工しました。2019年度中に試運転開始、2020年度に燃焼試験設備や小型ジェットエンジンなどを使った検証を開始する予定です。

 このプロジェクトは、ジェット燃料に起因するCO2排出量削減に向けたものであり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオジェット燃料生産技術開発事業」による委託を受けて取り組むものです。燃料の生産プロセスについては、MHPSの噴流床ガス化、TOYOが担当するマイクロチャンネルFT合成および合成油改質、中部電力の設備運転・燃料調達ノウハウ、JAXAの燃焼特性評価力などの各者技術を結集しました。実証設備については、0.7トン/日の木質系バイオマス処理能力、約20リットル/日の純バイオジェット燃料製造能力を備える計画です。同設備の検証運転を通じて、純バイオジェット燃料製造技術の確立を目指します。

 MHPSは、1980年代から石炭やバイオマスなどの燃料ガス化について研究開発を重ね、高性能なガス化炉技術を確立しています。今回のプロジェクトで中核となる常圧酸素/水蒸気吹き噴流床ガス化技術により大容量かつ安定したガス生成が可能となります。

 このたびはさらに、NEDOの支援のもと純バイオジェット燃料製造以降のバイオジェット燃料出荷までの工程検討のため「純バイオジェット燃料製品化ワーキンググループ(仮称)」に参画することとなり、実用化への検討をより具体的に行うこととなりました。

 MHPSは今後、共同3者との緊密な連携を通じてバイオジェット燃料製造技術の確立に向けた取り組みを推進し、航空分野におけるジェット燃料に起因するCO2排出量削減を実現することで地球環境の負荷低減に貢献していきます。

原料調達から純バイオジェット燃料製造までのプロセス
原料調達から純バイオジェット燃料製造までのプロセス
  1. 100%バイオマス原料からなる品質規格(ASTM D7566)に準拠した燃料で、NEATバイオジェット燃料ともいいます。
  2. 特殊な円筒形状炉の炉底から酸素と水蒸気を噴き上げることにより、バイオマスの均等・高効率なガス化ができる技術です。
  3. FT(Fischer-Tropsch)合成法は、一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する方法で、今回はこの反応を小型反応器(マイクロチャンネルリアクタ)を用いて行います。実用規模システムでの反応器の大型化も容易です。

以上