中国の原子力発電所に納入したタービン発電設備の回転上昇試験を無事終了 三門1号機と海陽1号機の2カ所で

発行 第 134号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、中国の三門原子力発電所1号機および海陽原子力発電所1号機に納入したタービン発電設備の回転上昇試験を無事終了しました。加圧水型軽水炉(PWR)の二次系(タービン系)における重要な試験項目の一つです。今後は両発電所とも、燃料装荷試験や各種負荷試験などを実施し、2017年後半の運転開始を予定しています。

 三門原子力発電所は、三門核電有限公司(Sanmen Nuclear Power Co., Ltd.)が上海の南方約300キロメートルに位置する浙江省三門県に、また海陽原子力発電所は、山東核電有限公司(Shandong Nuclear Power Co., Ltd.)が青島の東方約130キロメートルに位置する山東省海陽市に建設しているものです。両発電所とも発電設備1機当たりの出力は125万キロワットで、一次系(原子炉系)には世界で初めて商用化された第3世代100万キロワット級PWRが採用されており、三門1号機と海陽1号機はその初号機と2号機です。

 当社は、両発電所1、2号機の二次系設備を、三菱電機株式会社および現地大手企業の哈爾浜電気集団公司(Harbin Electric Corporation:ハルビン電気)と共同で2007~2008年に相次ぎ受注。当社は発電所4ユニット分の低圧タービン12基および高圧タービン4基などを担当し、ハルビン電気はその中のタービン車室や付帯設備などを手掛け、発電機を三菱電機とハルビン電気がそれぞれ2基ずつ供給しました。

 回転上昇試験は、タービンの安全性を確認しながら段階的に回転数を上げていき、最終的に定格回転数(1,500回転 / 分)で約1時間運転し、各運転段階においてタービンおよび発電機の運転に問題がないことを確認するものです。今回の試験では特に、第3世代PWRの初号機を導入した三門1号機における試験の首尾が、世界の原子力発電業界にとって重要なベンチマークとして注目されていました。順調に起動運転したことにより、両電力会社から高い技術力および製品の品質、きめ細かい技術支援に対して高評価を得ました。

 MHPSは今後も、グローバル市場における原子力タービン発電設備をはじめ安全性と信頼性の高い原子力発電関連機器・設備の提供を通じ、エネルギー・環境問題の緩和に貢献していきます。

海陽原子力発電所1号機に納入したタービン発電設備
海陽原子力発電所1号機に納入したタービン発電設備

以上