勿来IGCCパワー合同会社および広野IGCCパワー合同会社向け石炭ガス化複合発電設備 フルターンキー契約で連続受注、出力54万キロワット

発行 第 133号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)を幹事会社とする共同企業体は、勿来(なこそ)IGCCパワー合同会社(注1)および広野IGCCパワー合同会社(注2)から、石炭ガス化複合発電(IGCC)設備をフルターンキー契約で連続受注しました。いずれも出力54万キロワットで、運転開始はそれぞれ2020年9月と2021年9月を予定しています。

 今回のプロジェクトは、常磐共同火力株式会社の勿来発電所(いわき市)の隣接地に勿来IGCCパワー合同会社が、また、東京電力フュエル&パワー株式会社の広野火力発電所(双葉郡)に広野IGCCパワー合同会社が、それぞれIGCC施設を建設するものです。同プロジェクトには「世界最新鋭の石炭焚き火力発電所」の建設から運営を通じて、産業基盤の創出と福島県の経済再生に貢献しようとの思いが込められています。

 今回受注したIGCC設備は、連続運転世界記録を達成した常磐共同火力勿来発電所10号機(旧株式会社クリーンコールパワー研究所の実証プラント)の設計・建設の実績をもとにした、純国産技術に基づく発電プラントです。出力は10号機の25万キロワットに比べ2倍超となります。

 IGCCは、石炭を高温高圧のガス化炉を用いてガス化し、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率のコンバインドサイクル方式で発電することで、従来の石炭焚き火力発電に比べ、発電効率を飛躍的に向上させ、CO2排出低減にも寄与する画期的な火力発電システムです。従来の火力発電では利用に課題があった低品位炭の活用も容易であり、資源の乏しいわが国をはじめ、海外諸国でも資源の有効利用と環境保全の両面で、今後ニーズが高まるものと予想されます。

 MHPSは、共同企業体を構成する三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社、三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社の3社と緊密に連携しながら今回のプロジェクトを確実に遂行し、資源の有効利用と環境保全の両立をはかるIGCCのさらなる技術向上に取り組んでいきます。

  • 1勿来IGCCパワー合同会社は、三菱商事パワー株式会社、三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社、東京電力ホールディングス株式会社および常磐共同火力株式会社の5社が出資している会社。
  • 2広野IGCCパワー合同会社は、三菱商事パワー株式会社、三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社、東京電力ホールディングス株式会社の4社が出資している会社。

以上