インドの超臨界圧火力発電所向け制御システムを受注 ラジャスタン州電力会社(RRVUNL)から

発行 第 54号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、インドのラジャスタン州電力会社(Rajasthan Rajya Vidyut Utpadan Nigam Ltd.:RRVUNL)が建設中のチャブラ(Chhabra)超臨界圧(注)石炭火力発電所5、6号機向け制御システムを受注しました。タービン制御(TCS / TPS)、ボイラー制御(BMS / BPSとFlame Detector)、およびプラント全体制御(Station-DCS)各システム2セットで、高効率の超臨界圧発電設備を最適に制御します。発電所は2016年以降順次運転開始する予定です。

 チャブラ発電所5、6号機は、ラジャスタン州の州都ジャイプールの南南西約300キロメートルのチャブラに建設中の出力各66万キロワットの発電所です。設備を構成する超臨界圧ボイラーおよび蒸気タービン各2基は、2013年に当社がインドの合弁2社を通して受注したものです。
 なお、合弁2社は、当社とインド建設・重機最大手のラーセン・アンド・トウブロ(Larsen & Toubro Limited:L&T)が出資するL&T-MHPSボイラー社(L&T-MHPS Boilers Private Limited)とL&T-MHPSタービン・ジェネレーター(L&T-MHPS Turbine Generators Private Limited)です。

 今回受注した制御システムは、発電プラントの性能を最大限引き出し、高い信頼性と稼働率を実現するための分散型制御システム(DCS)で、1970年代から製作を開始した自社製制御システムDIASYS(Digital Intelligent Automation SYStem)です。30年超に及ぶ火力発電所の制御監視などで培ったノウハウと専門技術の結晶で、システムの高信頼性、オンライン保守による高い稼働率の維持、ストレスフリーの操作性など、信頼性、安定性、機能性、操作性などが高く評価され、現在まで世界58ヵ国、1,650を超えるプロジェクトに広く納入されています。

 当社は発電監視制御システムとして、今回のDIASYSシリーズのほか、HIACS(Hitachi Integrated Autonomous Control Systems)シリーズも有しています。高信頼、高性能かつコンパクトで自由度の高いシステムを実現したもので、1975年の初代制御装置「HIACS-1000」から進化を続け、現在までに世界各国・地域の640を超えるプロジェクトに納入されています。
 今回の受注は、これらの当社が保有する制御システムの優れた特性と、当社製一括取りまとめが高く評価されたことによるものです。

 RRVUNLはラジャスタン州政府所有の発電会社です。2000年7月にラジャスタン電力庁を再編成して発足したもので、経済発展に伴い急増する州内の電力需要を支えています。

 当社は今後も、高効率石炭火力発電設備と、その性能を最大限実現する制御システムの受注活動を積極的に展開し、各国・地域における安定的な電力供給とCO2排出抑制などの環境改善に貢献していきます。

  • 超臨界圧=水は374℃、22.12メガパスカル(大気圧の約220倍)の臨界点を超えた環境下で、液体と気体の両方の性質を備えた活発な状態(超臨界水)となり、水蒸気に連続して変化します。超臨界圧のボイラーおよび蒸気タービンは、この臨界点を超える約600℃、大気圧の約250倍の状態で運転します。近年、発電効率を高めるため、超臨界圧や超々臨界圧の蒸気タービンやボイラーなどの需要が高まっています。

以上