MHPSエンジの国内産業用火力発電システム事業をMHPSに移管 電力自由化の流れを見据えて

発行 第 42号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は4月1日付で、当社100パーセント出資子会社の三菱日立パワーシステムズエンジニアリング株式会社(MHPSエンジ)が手掛ける国内産業用火力発電システム事業を当社に移管します。電力自由化の流れを背景に、急速に拡大し多様化する市場動向を睨んだ措置で、これにより、顧客対応力を高め、事業の効率化と競争力の強化をはかっていくのが狙いです。

 具体的には、MHPSエンジの国内産業用火力発電システム事業を会社分割により承継して、当社は、事業環境の激しい変化に迅速かつ的確に対応可能な体制を整え、中小型発電システム市場を一層積極的に開拓していきます。また、それらを当社のリソースと一体活用することで、国内外の電力会社、新電力会社、自家発電事業者、産業用発電事業者など、すべての顧客の多様なニーズに一元的に対応できる事業体制を構築していきます。

 なお、今回の事業集約では、MHPSエンジが手掛ける小型ボイラープラントなど一部製品については当社に移管せず、引き続き同社がその機動力を活かして対応していく方針です。

 国内産業用火力発電システム市場は、東日本大震災発生以降、新電力や自家発電事業向け電源の需要が拡大する一方で、それらの商談は石炭火力、バイオマス発電、FIT(固定価格買い取り制度)案件などと急速に多様化しています。そのような状況に対応するため、より一層総合力を発揮する事業運営が必要となっており、価格競争力と製品高度化の両面で顧客ニーズに的確に対応できる体制の構築が喫緊の課題となっています。今回の事業移管は、そのような環境変化を踏まえつつ、将来の事業展開をも見据えて判断したものです。

 MHPSエンジは、国内産業用火力発電システムの営業・設計・建設からアフターサービスまでのすべての業務領域をカバーするMHPSのグループ企業です。2012年4月に三菱重工グループのエンジニアリング4社を統合して発足したMHIプラントエンジニアリング株式会社がその前身で、2014年2月のMHPS発足に伴い、現在の社名に変更するとともに、同10月にはバブ日立工業株式会社を合併して今日に至っています。

 当社は、火力発電システム向けフルレンジの製品群を擁して、発電分野のトータルソリューションを提供しています。今後も、この市場で多種多様な顧客のニーズに的確に応えて、各国・地域の発展に貢献していきます。

以上